のび太の大魔境
あらすじ
昔、地球は謎と神秘に満ちていた。ところが、今は、地球はすみずみまで探検し尽くされてしまい、人間の行かない場所はない。
そんなジャイアンとスネ夫の言葉を受け、のび太はドラえもんに頼んで「自家用衛星」を打ち上げてもらい、アフリカのジャングル地帯の衛星写真を大量に撮影し、魔境探しを始めます。
果たして、魔境は見つかるのでしょうか?
名場面・名セリフ
衛星写真での魔境探し
この映画の公開は1982年です。この当時は、人が足を踏み入れることのできる場所が飛躍的に拡大し、未踏査の地域がどんどん減っていった時期ですね。秘境を求めて冒険する探検隊のテレビ番組も流行していました。
映画では、「自家用衛星」なるものを打ち上げて衛星写真を大量に撮影して魔境探しをしますが、現代では、ドラえもんがいなくても、Google Earth などで、衛星写真を調べることができてしまいますね。
まさか、衛星写真の閲覧が、こんなに簡単に家でできるようになるなんて、ドラえもんも想像しなかったことでしょう。
ヘビー・スモーカーズ・フォレスト
衛星写真による魔境探しの結果、アフリカのジャングルの中に不思議なものを発見するのび太たち。
二人は物知りの出木杉くんに、このことを知らせます。
出木杉くんによると、そのエリアは「ヘビー・スモーカーズ・フォレスト」と呼ばれているとのこと。直訳すると「たばこ好きの森」。NASAがそう名付けたのだそうです。ドラえもんの出した衛星は、雲の影響を受けないものなので、撮影できたのだと。
この「ヘビー・スモーカーズ・フォレスト」というのは、どうも作者の創作らしいのですが、あのNASAも発見できなかった秘密を発見してしまった、という衝撃は、物語に良い味付けをしています。
意外な助っ人
物語終盤、のび太たちはピンチに陥りますが、しずかちゃんの機転により、意外な助っ人が登場し、ピンチを脱します。
映画DVD・大長編単行本
関連する短編作品
映画の冒頭で、のび太は空き地で捨て犬を拾います。
もっとも、これはただの捨て犬ではなく、この犬こそ、魔境探検の鍵になるわけですが……。
捨て犬を拾うお話は、短編でも登場します。
のら犬「イチ」の国
このお話では、やはりのび太が犬を拾うのですが、家で飼うことはママが許してくれないので、どこか、犬が安心して暮らせる世界がないか考えた結果、あるところに移住させ、その犬が国を作ります。
ちなみに、「イチ」というのは犬の名前です。犬は「ワン」と鳴くので、one を日本語にして「イチ」だそうです。
映画でも、「ずっと腹ペコだったから『ペコ』」と名付けたり、のび太のネーミングセンスはあなどれないです。